来年2月のバンクーバー冬季五輪で史上初のメダル獲得を狙う日本男子フィギュアスケート陣にとって、強力なライバルの復活だ。

 前回2006年トリノ五輪の銀メダリスト、ステファン・ランビエル(スイス)が五輪予選会を兼ねた先のネーベルホルン杯で約1年半ぶりに競技会復帰を果たし、合計232・36点で圧勝。スイスの五輪出場枠を確保し「重圧があってタフな1週間だった。9月にシーズン初戦に臨むなんてジュニアの時以来だと思う。このために入念な準備をしてきた」と胸を張った。

 ショートプログラム(SP)は4回転トーループで転倒したが、持ち味のスピンはいずれも最高難度のレベル4と評価された。フリーは4回転-2回転-2回転や3回転-3回転のコンビネーションジャンプを成功させた上、表現力を示す5項目でも8点台をそろえ、ブランクを感じさせなかった。

 左内転筋のけがを理由に昨年10月に引退を表明した後もアイスショーには積極的に出演してきた。7月下旬に自身の公式サイトで復帰を発表し、治療の成果で現在はけがの痛みも耐えられる程度になったという。世界選手権を2度制している24歳は「肉体的にも精神的にもいい状態にある。バンクーバーで金メダルを狙う」と、自身3度目となる冬の祭典に照準を合わせている。(共同)