<フィギュアスケート:グランプリシリーズ第6戦・ロシア杯>◇初日◇25日◇モスクワ

 確実に跳ぶことを考えた。浅田真央(21=中京大)が冒頭のジャンプに選んだのは、代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)ではなく、2回転半だった。これを鮮やかに決めると、千夜一夜物語「シェヘラザード」の曲に乗った。3-2回転の連続ジャンプなど、ほかの要素をほぼ完璧にこなし、64・29点の首位発進。「SPはミスが許されず、少し緊張はあったけど、まずまずの出来。次のフリーにつながる」と喜んだ。

 トリプルアクセル回避は、朝の練習後に決めた。まだ確度が低いと判断して、確実な道を選択。その分を、ステップで最高難度のレベル4を獲得するなど、確かな技術で補った。国際大会では09年4月の世界国別対抗戦以来、GPシリーズに限れば08年NHK杯以来のSP首位に立った。

 2位以内なら無条件で決まる3季ぶりのGPファイナル進出は、目前に迫った。26日のフリーへ「ミスなくできればいい。自分のできる演技をしたい」と意欲を見せた。