<フィギュアスケート:全日本選手権>◇24日◇大阪なみはやドーム◇男子フリー

 羽生結弦選手(17=東北高2年)が3位に入り、初の世界選手権代表を確実にした。東日本大震災で仙台市のホームリンクが被災し「スケートなんてやっていていいのかなと思ったこともある」と話していた少年が、地元に明るいニュースをもたらした。

 3月11日の地震発生時はリンクで練習中だった。「揺れがだんだん大きくなって、氷は波打っていた」と振り返る。4日間、近くの小学校の体育館で避難生活を送った。

 リンクは閉鎖され、オフは練習場所を求めてアイスショーで各地を転々。「60回くらい出た」というショーや、その前後の時間を使ってプログラムをつくりあげた。

 昨年は4位で代表の座を逃した。日本男子の次世代のエースは「自分がいい演技をすることで、被災者の方々に少しでも勇気を届けられれば」との思いを胸に、フランスで開かれる世界の大舞台に挑む。