64年東京五輪の「伝説の金メダリスト」が18日、男子レスリング日本代表を激励した。今年80周年を迎える日本レスリング協会が、48年前の金メダリスト5人の座談会を企画。東京大会後初めて一堂に会した金メダリストたちが、都内で行われている代表合宿を見学した。練習の冒頭には5人が紹介され、それぞれあいさつした。

 フリー・フライ級の吉田義勝氏(70)が「大切なのは3つのC。コンセントレーション(集中)コントロール(正確さ)コンフィデンス(自信)を持ってほしい」といえば、同バンタム級で東京、メキシコ五輪を連覇した小幡(旧姓上武)洋次郎氏(69)は1人1人の名前をあげて「勝てる」と激励した。186連勝のギネス記録を持つ同フェザー級の渡辺長武氏(71)は「今から24時間、レスリングに集中を」。グレコ・フライ級の花原勉氏(72)は「何を食うか、どう寝るかも大切」と話し、同バンタム級の市口政光氏(72)は「あと数カ月で人生が変わる。思い切ってやってほしい」と話していた。

 既に五輪代表に決まっているフリースタイル66キロ級の米満達弘(自衛隊)は「個性的で堂々としていた」と刺激を受けた様子。小幡さんの高校の後輩に当たるグレコローマンスタイル60キロ級の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)は「死に物狂いで(競技に)向き合って万全で予選に臨む」と決意を新たにした。

 男子は昨年の世界選手権でフリー2階級の出場枠しか手にできなかった。残る予選3大会で、前回北京五輪で出場した6階級以上の出場枠獲得を目指す。