政府は23日の閣議で、レスリング女子世界選手権で10連覇し、五輪と合わせて13大会連続世界一を達成した吉田沙保里への国民栄誉賞授与を正式に決めた。

 ◆山下泰裕氏(1984年ロサンゼルス五輪柔道金メダリスト、同年に国民栄誉賞受賞)の話

 世界で13連覇は精神的にすごくたくましく、すごく前向きだということ。賞にふさわしい。今後これだけの記録をつくる選手は現れないし、まだまだ伸ばしてほしい。これからもっと吉田沙保里らしく輝いてほしい。

 ◆高橋尚子さん(2000年シドニー五輪女子マラソン金メダリスト、同年に国民栄誉賞受賞)の話

 五輪3連覇、世界選手権10連覇という活躍は、日本中に深い感動と勇気を届けてくれた。並大抵の努力では成し遂げられない、世界に誇る前人未到の大記録だ。

 ◆王貞治氏(元プロ野球選手、1977年に初の国民栄誉賞受賞)の話

 13連覇は歴史に残る大記録であり、それだけの長きにわたって勝ち続けることは、並大抵なことではありません。これからも個人記録を伸ばすことは当然のこととして、後進の指導育成にも力を尽くし、日本のお家芸である女子レスリング界をけん引してほしい。

 ◆九重親方(大相撲元横綱千代の富士、1989年に国民栄誉賞受賞)の話

 誰もできなかったことを成し遂げたのだから、大変に価値ある受賞だ。私と同じで現役中の受賞はものすごく励みになる。4年後の五輪は遠いが、これからさらに受賞に恥じない頑張りをしようと思うだろう。

 ◆沢穂希(昨年、国民栄誉賞を受賞したサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」当時主将)の話

 世界大会で13連覇を成し遂げるということは、私たちの想像をはるかに超えた苦難があったと思う。「日の丸」を背負う意味がどんなに重く、光栄なことかを知っている日本人の一人。この偉業を糧に、さらなる躍進とご活躍を心からお祈り申し上げます。

 ◆吉田と親交のある大相撲の横綱白鵬の話

 世界の中でも大きな存在。勝って当たり前という中で1位になり続けるのはすごい。国民が盛り上がれば誰でも取れる賞というわけでもない。ナンバーワンということ。

 ◆竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長の話

 スポーツ界の女王だと思う。超人的な記録をつくったし、国民栄誉賞を祝福したい。多くの人の模範になる存在だ。まだまだ記録も伸ばしてくれると思う。

 ◆福田富昭・日本レスリング協会会長の話

 日本のレスリング界が始まってから初めての快挙で喜ばしい。若い選手の目標になるし、これに続く選手が出てきてほしい。これまでの伝統に加えて、人材育成の責任も強くなる。

 ◆市原則之・日本オリンピック委員会(JOC)専務理事の話

 心から祝福したい。歴代の受賞者と比べて実績も遜色ないし、国民に大きな夢を描かせてくれる。女子の時代を象徴した存在。男子も頑張らないと。

 ◆栄和人・日本レスリング協会女子強化委員長の話

 つらい時期もありながら五輪や世界選手権で13度も勝ち抜いた。世界の舞台に出るためには国内でも休みなしに闘って勝たないといけない。心技体全てにおいてすごいこと。

 ◆張富士夫・日本体協会長の話

 ロンドン五輪、世界選手権の活躍は日本人ばかりではなく、世界の人々に大きな感動、勇気、希望を与えてくれた。スポーツ界にとってこの上ない喜びであり、女性スポーツのさらなる発展への大きな力になると確信します。

 ◆吉田と同じ五輪3連覇を果たした女子63キロ級の伊調馨の話

 いつも前向きでひたむきな姿が、長年にわたる記録を生み出したと思う」と感心した。

 ◆かつて吉田と五輪代表を争った48キロ級の小原日登美の話

 沙保里というライバルがいたから、ここまでやってくることができた。

 ◆男子レスリング・フリースタイル66キロ級の米満達弘の話

 (自分は)これから世界13連覇することは無理だと思うが、五輪2連覇を目指して頑張る。