国際オリンピック委員会(IOC)は8日、ブエノスアイレスで総会を開き、2020年東京五輪の実施競技の残り1枠にレスリングを選んだ。

 IOC委員による投票で、統合した野球とソフトボール、スカッシュを抑えた。レスリングは2月のIOC理事会で除外の危機に陥ったが、組織改革などが評価され存続が決まった。24年五輪でも自動的に実施される。

 総会では昨年のロンドン五輪の実施26競技からレスリングを除いた25競技を東京五輪の「中核競技」とすることを投票で一括承認した。続いて候補3競技が各20分のプレゼンテーションと質疑応答を実施。その後の投票でレスリングは49票、野球とソフトは24票、スカッシュは22票だった。

 東京五輪の招致成功を受け、政府は9日、スポーツ行政を一元的に担う「スポーツ庁」創設へ本格的な検討に入った。スポーツを通じた人材育成プログラムの具体化も協議する。

 2月までに立ち上げる大会組織委員会の人選など組織づくりも焦点となる。東京都幹部によると、当初は100人程度の陣容でスタートし、大会直前には1000人規模になる見通しだ。7年後の開催に向け、準備はハード面の整備が急務となる。東京の都市計画全体にも関わってくるため、都の職員も相当数が組織委に加わるという。組織委トップには財界人の起用が有力で、経団連会長を務めた御手洗冨士夫氏らの名が挙がっている。

 20年五輪の実施競技をめぐっては、IOCが伝統競技のレスリングを除外候補としたことに対して米国やロシアなど世界中から批判が起きた。

 国際レスリング連盟(FILA)は会長が交代し、ルールを改正するなど短期間で改革し、IOCから指摘された問題点を改善。8候補を絞り込んだ5月のIOC理事会では圧倒的な支持を集め、最終3候補に残った。

 16年リオデジャネイロ五輪では、ロンドン五輪の26競技にゴルフとラグビー7人制を加えた28競技が実施される。