<テニス:全米オープン>◇最終日◇9日◇ニューヨーク・ナショナルテニスセンター

 男子シングルス決勝で27歳のラファエル・ナダル(スペイン)が世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-2、3-6、6-4、6-1で破り、3年ぶり2度目の優勝を果たした。

 昨季苦しんだ左膝故障を乗り越え、2010年大会以来の歓喜に酔いしれた。長らく世界1位を占める宿敵を破り、完全復活を示す四大大会13勝目。赤土の王者が「世界1位の得意なハードコートで勝つためには、完璧にプレーしないといけなかった」と胸を張った。

 準決勝まで1セットしか落とさない好調ぶり。決勝では第2セットを失ったが、「大事なセットだった」と第3セットで序盤の劣勢に耐えて巻き返した。4-4から2ゲームを連取し、1時間1分の末にこのセットをものにすると、勢いづいた第4セットを圧倒した。

 ウィンブルドン選手権では初戦敗退を喫したが、膝への負担がかかると言われるハードコートで高い機動力を誇る相手に走り負けず、8度優勝した赤土の全仏オープンで見せる驚異的な粘りと集中力を発揮。焦るジョコビッチが53本も出した凡ミスを20本に抑え、流れを引き寄せた。

 今季はハードコートの4大会で無敗。四大大会14勝のピート・サンプラス(米国)の背中が見え「自信もあって集中できたし、いいプレーができた。健康なら(四大大会で)勝つチャンスがある」。心身ともに充実する最強サウスポーは、さらに自信を深めたようだ。