<第49回東日本実業団対抗女子駅伝>◇3日◇さいたま新都心駅前-熊谷スポーツ公園陸上競技場(6区間42・195キロ)◇15チーム

 三井住友海上のエース渋井陽子(29)が、チームを9年連続9度目の優勝に導いた。3区(11・95キロ)で37分6秒の区間賞を獲得。トップと19秒差の3位でたすきを受けると、別次元の走りで首位に浮上し、2位と1分12秒差をつけた。16日の東京国際女子マラソンへ、大きく弾みをつけた。

 渋井がチームを3位から1位に引き上げ、1分以上の「貯金」をつくった。残り3区間の後輩たちに、気持ちよくV9ロードを走らせた。「ここで走れちゃうと、2週間後は大丈夫か、という声もありますが、去年とは走りの感覚が違う」。駅伝で区間賞→約2週間後のマラソン。このパターンは去年と同じ。だが、マラソンでは7位に終わった1年前との「違い」を強調した。渡辺監督も「気持ちが充実している。五輪を経験して、さらに明るさを増した」と言う。入社1年目の江藤は会見で、渋井について問われると「面白くて、やさしくて、きれいで…」。言い終わらないうちに渋井は「あとで1万円あげるから」と冗談を言って笑わせた。確かに、テンションは高まってきた。