<全国高校総体>◇6日◇レスリング◇奈良市中央体育館

 総体個人で初出場の森下大地(飛龍3年)が、55キロ級で銅メダルに輝いた。準々決勝を2-0で完勝し、準決勝では第1シードを破って勢いにのる相手に敗れるも3位。静岡県勢としては、同階級で昨年に続く2年連続のメダル獲得となった。60キロ級に出場した青木成樹(飛龍3年)と66キロ級に出場した杉本逸太(沼津城北3年)は、ともに準々決勝で敗れ5位入賞となった。

 攻めの姿勢を貫いた。準々決勝第1ピリオドは、得意のタックルからポイントを奪って完勝した。準決勝では、東海総体で敗れた相手に森下は「何も考えずに思い切り行こう」と、序盤から積極的に仕掛けた。だが、タックルをかわされ、組み手も相手優勢になると、一瞬の隙をつかれて、バックをとられてしまった。森下は「完敗です。優勝目指してやってきたので悔しい」と唇をかんだ。

 準決勝は鬼門だった。中3で出場した全国中学校体育大会42キロ級で3位。今春の選抜大会でも準決勝で涙をのんだ。最初で最後となる今大会は3年間の集大成でもあった。県内でもトップレベルの選手が集まる同校で年間ほとんど休みなく、毎日約3時間の練習に耐えてきた。測量日約1週間前から、1日1キロペースの減量で自らを追い込んで大会に臨んだが、あと1歩及ばなかった。

 次なる目標は、全国高校生グレコローマン選手権(17日開幕、千葉佐倉市)と、9月の新潟国体。森下は「もう1度しっかり練習をして、次こそは優勝をとりにいきたいです」と先を見据えた。高校卒業後は、全国でも強豪選手がそろう拓殖大に内定している。「日本一の練習ができる。今日の記録に満足することなく、もっと上を目指していきたいです」。悲願の優勝はつかめなかったが、全国の舞台を経験した森下が、新たな目標に向かって挑み続ける。【神谷亮磨】