<競泳:日本学生選手権>◇最終日◇6日◇熊本市総合屋内プール

 男子背泳ぎ100メートル決勝で、入江陵介(19=近大)と古賀淳也(22=早大)が対戦し、入江が52秒78で2年連続で優勝した。7月の世界選手権では古賀が金メダルを獲得し、入江は4位に終わったが、約1カ月後の再戦で0秒37差をつけて日本記録保持者の貫禄(かんろく)を示した。女子200メートル平泳ぎでは世界選手権5位の金藤理絵(20=東海大)が自身の日本記録を1秒60も更新し、アンナメイ・ピアース(カナダ)の世界記録に0秒60差の2分20秒72の日本新記録で優勝した。

 52秒24の日本新を出した前日5日の400メートルメドレーリレーとは違い、入江は勝利だけにこだわった。スタートから競りながら、50メートルのターンは26秒09で古賀を0秒02上回った。残り15メートルでスパート。負けじとペースアップした古賀を振り切って0秒37差をつけてゴールした。

 決勝前に800メートルリレー予選にも出場した入江は「タイムは出ないと思っていたので、勝負を頭に入れて泳ぎました」。古賀に負けた世界選手権と同じ隣のレーン。「あのときは負けてしまったので、今日は勝つことだけを意識した。(前日に)日本新も出せたし大満足です」と笑みを浮かべた。

 ゴール直後にはガッチリ握手。試合では日本記録を交互に塗り替えるライバルだが、古賀とはジュニア時代から仲がよく、普段から一緒に食事にも出かけている。「彼は集中力があってここぞというところで合わせてくる」と入江。古賀も「陵介の泳ぎには見習うところが多い」という。

 「2人で世界のトップを目指したい」と入江は力をこめた。良きライバルとの切磋琢磨(せっさたくま)で、レベルアップを図っていく。【前田泰子】