日本スケート連盟が14年ソチ五輪へ向けて来季から選手会を発足させることが30日、分かった。この日の理事会で橋本聖子会長(45)が発案し、承認された。選手サイドからの意見を積極的に吸い上げて、協議する狙い。橋本会長は「プロスポーツには選手会があるが、今の時代はプロもアマチュアも関係ない。選手会を作るのはかねてからの思い」と説明した。

 細部はこの1年で練るが、骨格としてはフィギュア、スピードスケート、ショートトラックの3競技で代表クラスの選手が対象になる。それぞれが代表者を立て、選手会長、副会長と役割分担。現場の意見をまとめ、オブザーバーとして理事会に出席し、連盟に伝えていくプランもある。

 選手会長の人選はこれから。同連盟関係者は「(スピードスケートの)岡崎とか適任だけど、任せっきりになってしまうかもしれない。橋本会長は勢いがあるフィギュアからがいいと考えている。そうなると高橋(大輔)がいいのでは」と話した。今は19歳と若いが、将来的にはカリスマ性から見ても、浅田真央も有力な候補となりそうだ。

 プロスポーツでは賃金闘争や地位向上を目指し、選手サイドが動いて、組合組織を発足させてきた歴史がある。今回は、連盟が動いて選手会の設立を促す異例の形だが、選手と連盟が一体となって、環境面、指導の充実化を図っていく覚悟だ。橋本会長は「選手も意見を要望することで責任を果たさなければならないし、資質向上にもつながる」と改革に期待を寄せた。【広重竜太郎】