<男子テニス:全米クレーコート選手権>◇10日◇ヒューストン

 決勝進出した日本男子のエース錦織圭(21=ソニー)が、過去4戦全勝のライアン・スウィーティング(23=米国)に4-6、6-7、1時間59分でストレート負け。日本男子史上初のツアー2度目の優勝と、日本男子歴代世界最高位更新というダブル快挙はならなかった。それでも世界ランクを48位に上げて自己最高位を更新、初のトップ50入りを果たした。過去の日本男子最高位は92年7月に松岡修造が記録した46位。

 「もう少し自分から打てていたらチャンスはあった」。錦織は悔しそうに汗をぬぐった。決勝までの攻撃的なテニスを最後まで貫けなかった。最大のチャンスは第2セット5-4リードの第10ゲーム。3度のセットポイントを奪ったが、その度に、190センチの長身から繰り出される相手の強力サーブで追いつかれた。10度のジュースの末、最後は根負けした。

 東日本大震災のことも頭を離れなかった。チャリティーオークションや寄付などで貢献したが、優勝でも元気を与えたいと切実に思った。しかし、その思いが、逆に「守りに入ってしまった」ことにつながった。

 今季初のクレー(土)コート大会での準優勝は、5月22日開幕の全仏に大きな弾みとなった。「粘り強さがついてきた。自信になる」。今年の全豪では、日本男子46年ぶりの3回戦進出。全仏では、それ以上の成績が期待される。