<競泳:ジャパンオープン2011>◇2日目◇21日◇大阪府立門真スポーツセンター

 中学生スイマーの渡部香生子(14=JSS立石)が2冠を達成した。女子50メートル平泳ぎで日本記録に0・43秒差に迫る31秒83で優勝した。前日20日の100メートルでも日本歴代2位の1分7秒10で優勝。12年ロンドン五輪代表も視野に入ってきた。来年は高校1年になるが、92年バルセロナ五輪女子200メートル平泳ぎで史上最年少(14歳6日)金メダルを取った岩崎恭子の再来として、注目が集まってきた。

 きれいなフォームから放たれる美しい水しぶき。スタンドの視線は14歳の渡部に集まった。両手の推進力と力強いキックが連動し、伸びるように進んでいく。距離が短く苦手な50メートルで日本記録に0・43秒差、中学新の31秒83で優勝。前日の100メートルに続く2冠だ。成長著しい中3は、泳ぐほどに自信をつけ、周囲の期待も高まってきた。

 「まさか優勝できるなんて思ってもいなかったです。31秒台はすべてがうまくいった結果。ビックリ」。

 ロンドン五輪出場も十分に狙える存在になった。本当は「平泳ぎが一番苦手」。だが中1で右肩を壊し、負担の少ない平泳ぎに専念するようになった。上野競泳委員長は「五輪で活躍してほしいし、その力はある」と太鼓判。平泳ぎでは92年バルセロナ五輪200メートルで、当時14歳の岩崎恭子が金メダルを取って日本中を沸かせた。来年は高1になる渡部だが、あの興奮と感動を、20年ぶりによみがえらせる可能性を秘めている。【益子浩一】