<テニス:全仏オープン>◇4日目◇25日◇パリ・ローランギャロス

 世界59位の錦織圭(21=ソニー)が2回戦で敗れた。同36位で、昨年ツアー2勝を挙げている第31シードのセルジー・スタホフスキー(25)の遅いリズムにタイミングが合わず、1-6、6-3、3-6、6-7の2時間48分で敗退。74年坂井利郎以来37年ぶりの日本男子全仏3回戦進出はならなかった。森田あゆみ(21)のダブルスも1回戦で敗れた。

 錦織が最後までペースをつかめなかった。どんなに激しいラリー戦を挑もうと、気合を入れても、相手はのれんに腕押し。すべてを吸収するような軟攻テニスで、錦織を翻弄(ほんろう)した。「自分のいいところを封じられた」。勢いを消され、のらりくらりのプレーに完全にのまれた。

 今大会が初対戦だった。相手の1回戦からの情報では「もっとネットに出てくると聞いていた」。しかし始まってみると、ストローク戦の展開。それも、ペースのない逆回転のスライスを多用され、リズムを崩された。情報戦でも後手に回った。

 今月上旬のローマの大会で急性胃けいれんに襲われた。緊急帰国し、日本での5日間を、治療と休養に充てた。全仏出場を決断したのが17日。22日開幕に合わせ、18日にパリに入る慌ただしさで、準備が万全だったとは言えない。それでも何とか初戦は突破した。

 6月20日からはウィンブルドンが始まる。芝生の速いペースでは「トスを低くして改良中」のサーブがカギとなる。この日は、7本のダブルフォールトと足を引っ張ったが、進化のために試行錯誤中だ。2日の世界ランクでは松岡がつくった日本男子最高の世界46位に並んだ。修造超えは、ウィンブルドンまで持ち越しだ。【吉松忠弘】