<高校ラグビー静岡大会:浜松工22-5静岡聖光学院>◇20日◇決勝◇静岡・草薙球技場

 浜松工が静岡聖光学院を破り、11年ぶり3度目の花園出場を決めた。前半は、コイントスで選んだ風上を利してキック合戦を優位に運んだ。CTB伊藤剛史(2年)とロック西野純平(2年)のトライなどで15-0。後半は1トライを許すも、終了間際に西野がダメ押しのトライを決めて完勝。王者・聖光の3年連続県内3冠を阻止した。全国大会は12月27日から大阪・花園ラグビー場で行われる。

 歓喜の輪をつくったのは浜松工だった。入学以来ずっと君臨していた県王者をついに撃破した。1年からレギュラーのFB小杉未来(みく)主将(3年)は「先輩たちの悔しい思いを晴らせたかな」と、新たな歴史の1ページに胸を張った。

 聖光のキック攻撃対策を実行する。これまであらゆる学校が分かっていてもはね返された壁を乗り越えた。狙ってくるコースは研究済み。小杉を中心に確実にキャッチし蹴り返した。追い風に乗ったボールは、相手の落下点予測を狂わせ焦りを誘う。前半5分の先制トライで勢いを増すと、同25分には西野が相手キックをチャージしてトライ。「向かい風で低いキックを予想していたし、途中から方向転換してコースに向かった」。後半29分にも「いけるんじゃないかと狙った」とトライを決めた。読みと気迫で圧倒した。

 県総体準決勝での敗戦から半年間、この日を目指して体力と技術を磨き、つかんだ勝利。木下清道(きよのり)監督(37)も「完璧ですね」と、選手に満点を与えた。ただし、花園では聖光以上の強豪が立ちはだかる。「1対1で止めるだけではなく、押し戻さないと」と防御面の課題を挙げた。花園初勝利に向けて新たなスタートを切る。【石原正二郎】