アマチュアボクシングの女子ミドル級でロンドン五輪出場を目指す、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代(33=よしもとクリエイティブエージェンシー)が、入念な精密検査で白黒つける。13日に都内で練習を公開し、週刊誌で報じられた脳の「影」について、脳外科のスペシャリストの手で2日間かけて検査することを明かした。検査後の17日には大阪府内で会見も行う。全力で脳の“潔白”を証明しにかかる。

 中途半端な検査で、ごまかすことはしない。脳の「影」を報じられた山崎が、スペシャリストの手に全てを委ねることになった。16日に都内で、日本連盟の山口壮医事委員長に受診。翌17日には大阪で、元ボクサーで俳優の赤井英和を救った、脳神経外科の権威の富永紳介氏の診断を受けることが決まった。MRI(磁気共鳴画像装置)などで念入りに調べる。連盟の山根明会長も2日間付き添う予定で、連盟を挙げて決着をつける。

 すべてのきっかけは週刊誌の報道だった。10年春に脳に薄い影が見つかり、目指していたプロを断念。問題を抱えたままアマチュアに“転向”したと報じられた。これには、温和で知られる山崎もかなり激怒した。プロを目指した事実はなく、昨年7月に受けた精密検査でも問題は表れなかったという。指導する梅津トレーナーは「良い機会。はっきり白だとさせたい」と教え子の心中を代弁した。

 山崎はこの日、日大と日出学園中高両ボクシング部との合同練習に参加。芸能コースに所属する“後輩”の女子高生が「モデル志望です」と言うと「私と一緒だ」と笑わせ、相方の山ちゃんについて「好きとか嫌いとかでなくパートナー。でも、気持ちは悪い」と、軽やかに受け答えした。

 ただ、練習に入ると頭痛を訴えて呼吸を乱した。予定されていた会見は中止となり「本人は繊細で、初めて『週刊誌のことが頭から離れない』と言っていた」と同トレーナーは明かした。五輪切符を懸けた5月の世界選手権(中国・秦皇島)まで、あと1カ月。余計な雑念を払うためにも、入念な精密検査に挑む。【今村健人】

 ◆しずちゃんの「脳」騒動

 10日発売の週刊朝日が「しずちゃん

 MRI検査で脳に『影』」と報じた。同誌によると、プロボクサーを目指していた10年春に検査を受けた際、脳に「影」を発見。プロへの道を諦めた。その後の検査で影は消えたが、実際は分からず「しずちゃんは脳の異常を“隠していた”」とした。これに山崎側は「再検査で異常はなかった」と反論。日本連盟の山根会長は「報道が出た以上、無視することはできない。何か異常が見つかったとしたら対応を考える」と、精密検査の実施を決めた。