<男子テニス:上海ロレックスマスターズ>◇第5日◇10日◇上海・森林テニスセンター

 世界18位の錦織圭(23=日清食品)が、2年ぶりのベスト8進出を逃した。同9位で全仏4強のジョーウィルフリード・ツォンガ(28)に、6-7、0-6の1時間29分でストレート負けを喫した。1度拠点としている米フロリダ州に戻り、次戦は21日開幕のスイス室内(バーゼル)。そして28日からのパリマスターズで今年を締めくくる。

 最後は心も体もコートになかった。第1セットで勝負はついた。マッチポイントで、この日、ツォンガの13本目のサービスエースを食らった。「第1セットでリードしたが、いつもプレッシャーを感じていた」。それでも、8月の自信をなくしていた最悪の状態を抜け出しつつある。

 第1セットの滑り出しは最高だった。速い展開と得意のリターンで4-2とリードした。しかし、腰の状態で6~7割の力で打っているサーブが狙われた。「サーブで簡単なポイントがなくなってプレッシャーを感じていた」。タイブレークでも3-0とリード。そこから相手がレベルを上げ逆転された。

 少しだけ光も見えている。8月、目標と自信を失った気持ちは「自信を取り戻しつつある」。まだ、チャンスで打ち切れないショットもあるが「悪くはなかった」。来年1月の全豪を考えると、上位16シードがつく位置にいたい。「残り2大会が大事」。最後の気力と体力を振り絞り、欧州の2大会を戦い抜く。【吉松忠弘】