<男子テニス:パリマスターズ>◇2日◇パリ

 ツアー最終戦にアジア男子初のシングルス出場を決めた世界7位の錦織圭(24=日清食品)が、大舞台での必勝を宣言だ。9日開幕の年間上位8人だけが出場できるATPツアー・ファイナル(ロンドン)で対戦の可能性がある7人とは17勝14敗。今年を締めくくる大舞台で、勝てない相手はいないことを証明する。錦織は準決勝で敗れたが、決勝で世界1位のジョコビッチ(セルビア)が同10位のラオニッチ(カナダ)に6-2、6-3で勝ったため、今日3日発表の最新世界ランキングでは自己最高の5位になる。

 錦織の口から、再び、全米で発した強気の言葉が飛び出した。「勝てない選手はいない」。最終戦は、その年のトップ8だけが出場できる超エリート大会。対戦相手は、すべて強豪ばかりだが、錦織の自信は揺るがない。「自分のプレーをすればチャンスはある」。

 根拠のない自信ではない。裏付けがある。出場する7人に対し、対戦成績は17勝14敗。勝ち越していることだ。勝ち星がないのはマリーだけで、ジョコビッチ、フェデラーの上位2人には五分。ベルディハ、ラオニッチ、チリッチらには圧倒的に勝ち越している。

 以前、トップ10入りを前にして「数字だけで、対等に戦えなかったら意味がない」と口にした。つまり最低でも五分の勝敗を残す実力が、錦織の中ではトップ10を意味した。しかし、自己最高の5位まで上昇した今年、対戦成績は勝ち越している。

 特に、9月の全米では、4回戦で当時6位のラオニッチ、準々決勝で4位のワウリンカをともに5セット、準決勝で1位のジョコビッチを4セットと、トップ10に3連勝する離れ業。「大きな自信になった」と戦える手応えをつかんだ。

 課題の体力面で、実は4大大会より、今大会のようなマスターズの方が厳しい。今大会、錦織は、2回戦から準々決勝まで3日連続でフルセットを戦った。4大大会は5セット試合だが、試合は1日おきで、体力を回復する時間もある。

 最終戦は、最初、8人を4人ずつ2組に分けて予選リーグ総当たり戦を行う。少なくとも6日で3試合をこなす計算で、必ず休養日を挟む。これは、錦織には大きな味方となる。「すごく楽しみにしている」。今大会は準決勝で敗れたが、今週1週間は休養に充てられる。準備万全で、錦織が今年最後の大舞台に挑む。