世界5位の錦織圭(24=日清食品)が、優勝候補の3強入りだ!!

 9日にロンドンで開幕する男子テニスツアー最終戦ATPツアーファイナルで、錦織はシングルスの開幕戦として、同6位のマリー(英国)と日本時間9日午後11時から1次リーグ初戦を戦う。大会の公式HPで行われたファン投票では、同1位のジョコビッチ(セルビア)、同2位のフェデラー(スイス)の世界トップと激しくポイントを争い、3強の中に食い込み、欧州のファンにもその存在感を存分に示す人気ぶりを博している。

 世界のテニスファンが、錦織に熱いエールを送っている。アジア男子初のシングルス出場を祝うように、組み合わせが決まってから、HPの投票で、錦織を支持する割合が、ぐんぐん伸びた。書き込みでも、日本語だけでなく、英語で「Come

 on

 Kei!」というコメントがあふれた。

 日本時間4日の正午時点で、ファンの優勝予想は、出場8選手のうちジョコビッチ35%、2位はフェデラーの28%、錦織は1%及ばず27%と肉薄していた。それが、午後11時の時点で状況は一変する。錦織がフェデラーを抜き2位に浮上した。ジョコビッチが1ポイント落とし34%、錦織29%、フェデラー28%と、錦織が順位を上げ、猛然とトップのジョコビッチを追い上げている。

 ファンの優勝予想を後押しするように、錦織自身も「メンツはすごいが、勝てない選手はいない。自分のプレーをすればチャンスはある」と自信があふれる。もちろん、初の大舞台で「少しの緊張感はある」。ただ、失うものはないだけに「楽しみたい」と、思い切り戦うだけだ。

 今年後半の勢いは、その優勝予想を裏切らない。8月下旬の全米から3大会連続決勝進出。そのうち、全米シングルス準優勝はアジア男子初の4大大会決勝で、マレーシア、東京の2週連続優勝は自身初だ。先週のパリマスターズではベスト4に進出し、自力で最終戦の出場を決め、新たな歴史の扉を開けた。

 その錦織に、大会も期待する。アジア最大のスーパースターと、12年ロンドン五輪金、13年ウィンブルドン優勝の地元の英雄マリーとの対戦は、リーグ戦屈指の好カードだ。迷わず、現地時間9日の日曜、午後2時(日本時間同11時)というシングルス開幕戦に組み込まれた。

 今年を締めくくる大舞台だ。全米や地元の楽天オープン、出場権のかかったパリのような重圧は、全くないだろう。マリーとの対戦は0勝3敗。しかし、今年の対戦はなく、錦織がトップ10選手としては初対戦になる。「初戦がカギだと思う」。マリーへの初勝利で、再び歴史を動かす。【吉松忠弘】