日本バレーボール協会は25日、ロンドン五輪の女子代表メンバー12人を発表した。竹下佳江(34=JT)と木村沙織(25=東レ)がアテネ、北京に続く出場。10年世界選手権銅メダルの両センター、大友愛(30=JT)と井上香織(29=デンソー)が復帰した。3大会連続出場を目指した栗原恵(27=カザニ)は外れた。平均年齢27・08歳の精鋭で、84年ロサンゼルス五輪以来のメダルを狙う。なお、石田瑞穂(24=久光製薬)がリザーブメンバーとして代表に同行する。

 日本の誇る精鋭が決まった。神戸市内でメンバー発表した真鍋政義監督(48)は「メダルを取るベストの12人」と力を込めた。ワールドGPを終えた前日24日の夜。宿舎の自室に17人をそれぞれ呼び、五輪の“当落”を伝えた。昨年から指揮官が「一番つらい」と嘆いていた選抜メンバーは、10年世界選手権の銅メダリストが中心になった。

 (1)センター争い

 ミドルブロッカーは経験豊富な3人だ。「主将でガッツがある」という荒木に、右膝痛だった大友と右肩痛の井上が復帰。ともに代表へ戻ったワールドGPで復調をアピールした。「大友は一番速くて、竹下とのコンビは世界の高さでも止められない。井上には特にブロックを期待したい」と真鍋監督。新鋭の岩坂と平井(ともに久光製薬)を上回った。

 (2)メグ落選

 北京五輪のエース栗原は外れた。09年からの左膝痛を乗り越え、ワールドGPで1年7カ月ぶりに主要大会復帰。全盛期のキレはなかった。真鍋監督は、栗原については「ベストメンバーを選びましたから」とだけ。レシーブのいい新鍋や、2枚替えで投入される狩野以上のアピールはなかった。

 (3)鍵は木村

 真鍋監督は「木村の復活なくしてメダルはない」と言う。世界最終予選ではサーブレシーブで混乱し、スパイク決定率33・2%と絶不調。そこで先週は、レシーブ力に定評あった元代表の荻野正二氏(サントリー監督)のもとで練習した。24日の韓国戦で復調の兆しを見せ「荻野のところに行ってから、明るく目が輝いていた」。指揮官も手応えありだ。

 苦戦した最終予選の反省から、現在は「世界一速いバレー」の習得に時間を割く。28日に集合後は国内とスイスで合宿を行い、ロンドンへ。難関は2大会連続で阻まれる「4強」への壁になる。28年ぶりのメダルへ、真鍋監督は「1カ月間結束して、一番輝いているメダルを」と気持ちを高めていた。【近間康隆】

 ◆ロンドン五輪の女子バレーボール

 12カ国が2組に分かれて総当たりの1次リーグ戦を行う。各組上位4カ国、計8カ国が決勝トーナメント進出。準々決勝(8月7日)はA組1位がB組4位、A組2位はB組の2位または3位、A組3位はB組2位または3位、A組4位がB組1位と対戦。A組の日本は、B組の米国、ブラジル、中国、セルビア、トルコ、韓国のいずれかと当たることになる。準決勝は同9日、決勝と3位決定戦は同11日に行われる。