<ラグビー:日本94-5香港・HSBCアジア5カ国対抗兼W杯アジア地区予選>◇22日◇東京・秩父宮ラグビー場

 日本が大勝して4戦全勝で優勝、7大会連続7回目のW杯出場を決めた。日本国内の試合でW杯出場が決まったのは90年以来20年ぶり2回目。11年9月開幕のW杯ニュージーランド大会では、W杯唯一の勝利である91年イングランド大会ジンバブエ戦以来の2勝目、そして初の大会2勝を目指す。

 日本が圧勝でW杯切符をつかんだ。前半2分、WTBトゥプアイレイ(29=キヤノン)のトライで先制。同18分にWTB遠藤幸佑(29=トヨタ自動車)が、チーム4トライ目を決め勝ち点1を加えW杯出場が決定した。だが、手を緩めることはなく、計14トライで94得点。遠藤は「全然、分からなかった。チーム内でも、そういう話はしなかった」と振り返った。

 それも、出場決定は通過点の意識からだ。目標はW杯での2勝目、そして大会2勝だ。W杯の予選プールの相手は、ニュージーランド(世界ランク1位)フランス(同4位)カナダ(同14位)トンガ(同15位)に決定している。13位の日本にとって、格上の2国はともかく、トンガとカナダに勝利することは必要。07年W杯で引き分けたカナダには、09年2連勝している。カーワン・ヘッドコーチは「トンガとカナダに勝ちたい。ニュージーランド、フランスは強豪だが私たちには失うものがない。母国のニュージーランドに勝ってパスポートをなくすかもしれないけど、日本がくれる」。具体的な目標は11年は10位以内、15年W杯でベスト8。「(日本開催の)19年は優勝する。多分、僕はいないけど」と笑った。

 6月のパシフィック・ネーションズ杯(PNC)ではフィジー(10位)サモア(12位)トンガと対戦。フィジーには09年1点差で惜敗したが、ゲーム主将のロック大野は「JK(カーワン)のやりたいラグビーは、みんな分かっている。PNCは優勝できると確信している」。すでに昨季トップリーグトライ王のWTB小野沢の呼び戻しが決定。代表候補が今大会の32人から30人に減らされるため、3人が脱落する。W杯で輝くために、激しい生き残り競争が始まっている。【小谷野俊哉】