<柔道:世界選手権>◇27日◇オランダ・ロッテルダム

 園田隆二監督がまとめる日本女子が、26日に48キロ級の福見友子(了徳寺学園職)、27日に52キロ級の中村美里(三井住友海上)と連日の金メダルで序盤戦を終えた。同監督は「1日1個のペースで金を取れているのはいい」と及第点を与えた。

 もっとも話が試合内容に及ぶと厳しくなる。福見には「(決勝の)最後30秒は逃げていた」、中村には「もっと力の差を見せつけて勝てるのに(攻めを)ちゅうちょしてしまう弱さがある」。優勝した直後の選手にあえて苦言を呈し「期待しているから、言うんです」と付け加えた。

 自身は20歳だった1993年、世界選手権の男子60キロ級で優勝。しかしその後は苦戦し、五輪出場を果たせず現役を終えた。勝ち続ける難しさを知るだけに、若い勝者への言葉が厳しくなるのかもしれない。

 ベテランにも遠慮せずものを言う。女子軽量級のコーチだった北京五輪前には国内大会出場を渋った谷亮子(トヨタ自動車)に「出ないと五輪はない」と諭したことも。現在の柔道界では、選手の強化そのものは所属先での練習がより重要視され、代表チームの監督はまとめ役の色も濃い。だが、35歳の若い監督は難しい状況の中で見事にかじ取りをこなしている。