5月の大相撲夏場所で暴力団組長が「維持員席」と呼ばれる土俵近くの特別席で観戦していた問題で日本相撲協会は29日、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が、特別調査委員会の山口弘典元委員が最高顧問を務めるボクシングジム会長を経由して入場券整理券が流れたことを把握していたと発表した。

 これまで相撲協会は、山口元委員から報告を受けていた出羽海理事(元関脇鷲羽山)が、武蔵川理事長への報告を怠ったことを問題視していた。だが、相撲協会は武蔵川理事長と出羽海理事がともに入場整理券の流れた事実を認識していたと確認。その上で、村山弘義理事長代行の「山口氏が特別調査委員として支障がないとした判断は適切ではなく、同様の判断ミスがないように、ガバナンス(統治)の整備を迅速に進めていきます」とのコメントを出した。