<大相撲夏場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

 本割で日馬富士が勝った瞬間、稀勢の里(22)は決定戦に備えて巻いたテーピングを外した。決定戦について聞かれると、悔しさをかみ殺したような表情で「微妙です」とつぶやいた。

 モンゴル勢3人の優勝争いに割って入り、自己最高の13勝を挙げたが、優勝にはあと1勝届かなかった。「結果には満足しています。もっと勝たないとだめということ」。新関脇で期待された春場所で5勝止まり。「散々でしたけど、なかったらここまでこられなかった」と、屈辱をバネにした。

 文句なしで敢闘賞を受賞した。「やっと終わったという感じです」とやっと笑みがこぼれた。名古屋場所では再び3役昇進が濃厚。日本人優勝への期待が再びのしかかるが、今回の経験が大きな糧になる。