<大相撲秋場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館

 「三度目の正直」はならなかった。白鵬が今年3度目の優勝決定戦で、またもや敗れた。本割では朝青龍を豪快に投げ捨てながら、決定戦では投げられて史上10度目の千秋楽逆転Vならず。連覇を逃し「自分のレベルはこんなもん」と力なくつぶやいた。初場所の朝青龍、夏場所の日馬富士戦に続く決定戦3連敗は、1947年に決定戦制度が導入されて初のケース。「もうちょっと勉強しないといけない。ま、自分が弱いということで」と肩を落とした。

 それでも朝青龍の全勝Vは阻んだ。歴代単独トップの「5場所連続14勝以上」となり、史上最速で年間71勝目をマーク。九州場所で13勝すれば、歴代最多84勝の05年朝青龍に並ぶ。場所前に痛みを再発させ、場所中に悪化した左ひじは、29日にも精密検査する予定だ。「本当はいい体調で臨みたかったけど…。悔いはないです」。吐き出す言葉は元気がなかった。