大相撲夏場所(5月9日初日、両国国技館)を前に、横綱審議委員会のけいこ総見が29日に東京・両国国技館で行われ、大関把瑠都(25=尾上)が昇進後初の本土俵でガチガチになった。関脇稀勢の里に3連敗するなど精彩を欠いて10勝10敗。持ち前の豪快さが影を潜めて「体が動かなかった。緊張して頭が真っ白」と苦笑した。

 申し合いを希望していた横綱白鵬とは3番取って1勝。「横綱と取れて感謝してます」と頭を下げたが、日増しに高まる周囲の視線には戸惑うばかりだ。前夜は部屋近くのスーパーでファンに囲まれて大パニックになり「今までこんなことなかった。もう行かない」。けいこ前には先輩大関の魁皇に「嫌だな~」とこぼしたという。だが、本場所での重圧はこの日以上。「緊張の中で自分の相撲が取れたら結果もついてくる」と前向きに話したが、繊細なハートが気になるところだ。