史上最短最軽量の綱が完成した。71代横綱に昇進した鶴竜(28=井筒)の「綱打ち」と雲竜型の土俵入り稽古が27日、大阪市西成区の井筒部屋で行われた。新しい綱の長さは記録が残る55代北の湖以降、最短最軽量だった朝青龍と同じ4メートルで、重さは朝青龍の7キロよりも軽い6・2キロ。それでも「最初は(四股の)バランスを取るのが難しかった」と綱の重みを実感した。

 雲竜型の初稽古では最初、手足の所作などに苦戦した。だが、現役時代さながらに足が上がる貴乃花親方(元横綱)から「大きく、ゆっくり」と丹念に指導されて、すぐに吸収。予習不足で初稽古に51分かかった日馬富士と違い、わずか22分間で終えた。「(動画で)見るのとやるのとは違って緊張した。ちょっと間違えた」と苦笑いも、同親方は「のみこみいいですよ。さすがですね」。「優等生横綱」の片りんを見せた。

 今日28日に明治神宮奉納土俵入りで初披露する。「間違えないようにしっかり練習する」と、新横綱は“稽古”に余念がなかった。【今村健人】