7回表ロッテ2死満塁、中村奨(左奥)を三振に仕留め、吠える日本ハム上沢(撮影・佐藤翔太)
7回表ロッテ2死満塁、中村奨(左奥)を三振に仕留め、吠える日本ハム上沢(撮影・佐藤翔太)

上沢は苦しみながらも7回1失点。投球内容は評価できる。1番の決め球はフォークだが、各チームも当然、昨年以上にマークしてくる。なかなか簡単に振ってくれない中で、この日はスライダーを多投するいつもとは違うコンビネーション。組み立てを工夫する努力が見られた。

またピンチは背負っても、決定打を許さないところがよさでもある。同点の5回2死一、二塁では、加藤に対してこの日最速の147キロで空振り三振。7回2死満塁で中村を空振り三振に仕留めた場面でも、それまで以上に腕を振ったスライダーで、同じ球種に変化をつけた。前回登板した5日の西武戦もそうだが、踏ん張りどころでギアを上げられる。今季は相手の警戒がきつく、この日のような試合は多くなるだろうが、持っている「引き出し」を存分に駆使してやっていってほしい。

打線では王柏融の勝負強さが光る。ヒットはなかったが、4回には先制犠飛。打点を挙げられる選手というのは、独特の配球の読みや勝負勘がある。これは教えられる部分ではない。打率は2割8分6厘だが、数字以上に貢献度は高い。勝負強い打者が5番にいるということが、いまの日本ハムの強みだといえる。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)

4回裏日本ハム1死一、三塁、王柏融は中犠飛を放つ。投手二木(撮影・佐藤翔太)
4回裏日本ハム1死一、三塁、王柏融は中犠飛を放つ。投手二木(撮影・佐藤翔太)