巨人にとって投打でいくつか課題が見えた試合だった。先発の桜井は中4日でもボールはきていたし、全体的にはよく投げた。ただ連続で四球を出し、押し出しで決勝点を与えた場面では、もう少し冷静になっても良かった。

気合を入れて全力で投げるのが彼のスタイルなのかもしれないが、気合が入り過ぎると動作が大きくなり、無駄が増える。制球が定まらない要因にもなる。ああいう場面ではむしろ冷静になり、マウンドからちょっと下がってロジンバッグを触ってみたり、一呼吸おくことが大事。そうすることで自分を客観的に見ることもできる。

桜井がローテーションで回るのは今年が実質1年目。ちょっとした気持ちの持っていき方など、まだ学ぶことは多い。中4日での登板も含め、ポストシーズンに向けた、いい経験になったと捉えてほしい。

一方、打線は2番坂本勇、3番丸が「今日はいけそうだ」というのを見せられないと苦しくなる。特に坂本勇の代わりはいないから、コンディションがどの程度なのか気掛かりだ。いずれにせよ今年の巨人打線は2人に負担がかかり過ぎている。下位を打つ選手がもう少し奮起しないと。大城ももっと調子を上げないといけないし、ファームで調整している若林もシーズンが終了する前に状態を戻して1軍に戻らないと。シーズン最後の数試合は、CSに向けてフルメンバーで戦いたい。(日刊スポーツ評論家)

5回裏巨人無死一塁、坂本勇は左飛に倒れる(撮影・浅見桂子)
5回裏巨人無死一塁、坂本勇は左飛に倒れる(撮影・浅見桂子)