日刊スポーツ評論家の中西清起氏(57)が東京五輪イヤーの開幕ダッシュ構想を提言した。24日に行われた開幕前哨戦となるヤクルトとのオープン戦(浦添)をネット裏からチェック。開幕3連勝へ、鍵を握る先発編成に切り込んだ。【取材・構成=田口真一郎】

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ヤクルトの顔ぶれを見た限りでは、戦力の上積みは感じられない。バレンティンが抜け、村上もケガで不在。新外国人エスコバーは長距離打者ではなく、怖さはない。打線が石川、小川に抑えられたのは残念だが、投手陣を比較しても枚数、質ともに阪神が有利だ。今シーズン、東京五輪の中断期間を考えれば、スタートダッシュは特に大事だ。最低でも、勝ち越し。絶対に3つ取るという気持ちでスタートを切りたいところだ。

この試合では2人の先発候補が登板した。青柳は開幕を迎えられる状態に来ていると思う。2四球で歩かせる場面もあったが、そんなに細かな制球を持った投手ではない。昨年も9勝しているわけだから、ローテーションに入ってくるだろう。

秋山は17年に12勝を挙げたようなボールの角度、キレはまだ感じられないが、状態は上がっている。7回に太田から外角ストレートで見逃し三振を奪ったが、彼の場合はこの投手の「原点」にいかに投げられるか、が鍵を握る。後はゲームで投げて、開幕に合わせていく。制球が良く試合は作れる投手なので、ローテーションに入る可能性は高い。残り1枠は左右のバランスを考慮して、岩貞を使いたいところだろう。

この6人をどう組み合わせるか。開幕から西勇、(高橋)遥人、そしてガンケル。私なら、この並びで開幕3連勝を狙いたい。開幕ダッシュというものを考えた時に、やはり先発陣で力のある投手から使っていきたい。今季は100試合終了時点で、3週間の中断期間を挟む。残り43試合はCSのような戦いになる。100試合までに、いかに白星を重ねるか。先発、リリーフともに、積極的にいい投手をつぎ込んでいける。

3、4カード目の広島、巨人との相性を見据えても、先発4人目からは青柳、岩貞、秋山の配置がいいだろう。もちろん、確実にカード勝ち越しを狙うなら、23日の登板で抜群の安定感を見せたガンケルを開幕2カード目の頭に持っていくプランもある。いずれにせよ、ガンケルの使い方がポイントになる。

キャンプをチェックし、阪神先発陣の層は昨年よりも今年の方が厚い。開幕から4カードを最低でも7勝5敗で乗り切りたい。ヤクルトに3連勝できれば、気分的にも違う。3連勝を狙っていくべきだろう。