日本ハム清宮幸太郎内野手のスイングスピードの速さ、ボールを仕留める確実性を感じることはできた。ロッテとの練習試合が中止になり実施された、個別練習での10分間のフリー打撃では、ほとんどボールを芯で捉えていた。正確なミート技術だ。ただ、昨季の打率1割9分を念頭に置くと、このフリー打撃ではまだ足りないと言わざるを得ない。

昨秋のフェニックスリーグで清宮の打席を見たが、速いボールへの対応にまだ課題を残していた。今季も1軍主力投手のストレートへの対応が求められる。打撃投手のボールは打たせるボール。今の清宮がどれだけ高い意識で打っているのか、そこが問題だ。

現役時代、小笠原(現ヘッドコーチ兼打撃コーチ)のキャンプでのフリー打撃で感じたことがある。キャンプ当初はバットの出どころに注意を払いながら左翼へ打っていた。バットの軌道が安定してくると中堅、右翼へ打ち返した。直接、その意図は聞いてないが、左翼へ打つ際、バットが内側から出ることを体に意識させる狙いだと想像していた。

果たして清宮にそういう狙いはあるのか。いや、日々狙いを持って打ってほしい。目指すのは公式戦での数字だ。結果がすべてのプロの世界で、いかに素材が良くとも、もう4年目だ。より一層の危機感を持ち、キャンプでは持てる力を出し切り、意識を高く振り込んでもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

2月12日、小笠原ヘッドコーチ兼打撃コーチと笑顔で話す日本ハム清宮  
2月12日、小笠原ヘッドコーチ兼打撃コーチと笑顔で話す日本ハム清宮