阪神佐藤輝明内野手(22)が、中日大野雄から2戦連発の7号ソロを放つも、チームは8回まで2安打に抑え込まれ、逆転負けを喫した。 昨季5試合の対戦で2度の完封を許した沢村賞左腕に、今年の初顔合わせでも苦戦した。

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阪神は苦手とする名古屋で、またしても中日大野雄を打ち崩せなかった。西勇が逆転を許し、わずか1点差でケリをつけられた。

山田 阪神としては1対0、または2点とって逃げ切るしかなかった。大野雄は球種が少ないタイプだがなかなか打てない。阪神のクリーンアップは3人とも右打者でインコースを意識させられると外の球は苦しくなる。ツーシームもフォーク系で沈む、速く小さく変化するなどツーパターンを投げ分けるからやっかいだ。佐藤輝は大野雄の投球スタイルをよく知らないから意識することもなかっただろうが、近本、糸原が粘ったように、むしろ左打者のほうが対抗しやすい。

一方、6回の西勇はエンドラン攻撃と犠飛で同点に追いつかれた。7回1死一、二塁から木下拓に左前適時打を許した。

山田 西勇の投球は中盤になってちょっと浮き出した。どのチームも分かっていることだが、もともと制球力が高く、低めにボールが集まるからエンドランをかけやすい。6回はそこの駆け引きだった。

8回2死から近本の三ゴロに高橋周がもたついて出塁(記録は失策)。続く糸原の1-2からの5球目に二盗を試みたが、ショート京田のタッチをかいくぐることはできなかった。一塁走者として大野雄から3度のけん制を受けた。阪神ベンチのリクエストも覆らなかった。

山田 あそこはイチかバチかで、もっと早いカウントでスタート切るべきだったね。1球目、2球目、3球目ぐらいまでにね。早く勝負して糸原に任せたかった。追い込まれてからでは遅い。だってエラーでもらった出塁じゃないか。あそこで走って結果をだすのが盗塁王の値打ちだ。ずっと打ち勝てるわけはないから、こういう競ったゲームをいかにとっていくかにかかってくる。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】