巨人にとっては消化不良の内容だった。まず、巨人打線は初物に弱い。
阪神先発アルカンタラは変なボールがほとんどない。荒れた球が少ない。ある程度ストライクゾーンに近いところにくる。四球もない。
制球がいいということで、変化球もチェンジアップ、スプリットを操っていた。それを確認し、何を狙うのかを明確にして打席に入ることだ。
この試合でそうした姿勢が感じられたのは岡本和とウィーラー。岡本和は初回の内容を真っすぐ狙いで打席に入り、初球の内角寄りを仕留めた。ウィーラーも第1打席で外角真っすぐを見逃し三振してから、その後の2打席はいずれも真っすぐを狙い中飛、左前打。意図は感じられた。
打者によっては球種、コースと狙い方はさまざまだが、コントロールがいい外国人投手には、たとえば球種で絞るなら、内角狙いで外角が来ても振っていくことが大事。そういう姿勢が、捕手梅野とのバッテリーに圧力をかけることにつながる。
終盤3回は阪神のリリーフ陣に1安打に抑えられた。特に8回2死一塁、打者スモークの時、代走増田大が盗塁死。守備でもショート吉川が3回に一塁悪送球で同点に追い付かれる痛いミスで6回からベンチに下がった。
開幕して2カ月足らず。独走していた昨年とは違い追う立場にある。まず、こうした凡ミスをなくし、苦手投手をつくらないこと。投手陣の整備が必要な時だけに、より一層の状況判断、目的意識を持ってほしい。(日刊スポーツ評論家)