先週の阪神6連勝の勢いは、ヤクルト、中日相手に2カード連続負け越しで消えうせた。

山田 阪神はいい当たりがほとんどなかった。点が取れない、打てないとか以前の問題で、当たりが悪すぎる。前日6日の大野雄はいつもより球の走りは良くなかったが、制球力が抜群だった。右打者に外の球が多かったが、各打者が踏み込んでいけないのは、打つ力に乏しいからだろう。対松葉も詰まるか、泳がされるか…。佐藤輝の三塁打も譲り合いをしたからあの結果になったが捕球できている当たりだったね。

大山を4番から6番に下げ、佐藤輝を4番に起用するなど打線改造も1点止まり。ここ5試合のチームは1桁安打続きで、1試合平均0.8点。おまけに中日から選んだ四球は2試合で1個だった。

山田 この2試合をみていて中日のピッチャーが木下のサインに首を振った形跡はほとんどない。相手から見透かされ、逆に阪神は中日バッテリーに考えさせていないということがいえた。攻め込めないというのは、なにもどんどん打ちにいけと言ってるんじゃない。自分の狙っている球にいかに呼び込むか、その球を相手投手にどう投げさせるか。ヒット数が少なすぎ、四球で塁に出ないのも、粘れないというのは簡単だが、そこにポイントがあるのではないだろうか。

中日は貯金を2に増やし、阪神の借金は13に膨らんだ。

山田 中日は大島不在が響いているが、まだちょっと楽しみがある。阪神は打線改造うんぬんでなく、もっと1人1人が考えて打たないと。マルテの早期復帰も必要だし、昨シーズン前半のような攻撃を思い出し、あの迫力を早く取り戻してほしい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】