阪神は4回に高寺の犠飛で挙げた2点目が大きかった。明日なき戦いで、代打投入でもおかしくない場面。2球連続ボール球の空振りで厳しい状況だったが、甘く入った球を打ち損じず中堅に飛ばした。青柳、高梨の両先発とも状態が良くない中、あの回0点なら結果が逆になっていたかも知れない。流れを決める意味で大きな1点だった。

青柳は得意のツーシームもスライダーもシンカーも制球が定まらない中、我慢の投球でよく1点に抑えた。特に村上に対しては、捕手の坂本も左右高低と全球種も駆使し、甘い球もあったが的を絞らせなかった。ヤクルトは優勝が決まっていなければベスト布陣だっただろうが、大幅にメンバーを入れ替えてくれたラッキーも味方した。先発テストの意味もあった高梨も5回まで続投させ、結果阪神は中押しの2点が取れた。

Aクラス争いは決め手がなく、3球団とも自力でのCS進出もないだけに、どこが優位とはいえない。広島と巨人より先に試合のある阪神は、とにかく28日も勝ってプレッシャーをかけるしかない。ただし、残り2試合も今季負け越しているヤクルト戦。相手もCS本番を見据えた戦いをしてくることが予想され、この日のように簡単にはいかないだろう。(日刊スポーツ評論家)