阪神はセ・リーグトップの得点力を誇るDeNAとの3連戦に打ち勝った。この3試合は6点、7点、15点で計28得点を奪って3タテを食らわせた。

梨田 これまでピッチャーに頼りながら僅差の展開をモノにしてきた。長いペナントレースでは大量点で楽勝のゲームも必要になってくる。リリーフを休ませる意味でも、だ。だがそれは先発ピッチャーが7、8回を投げきることが条件といえるだろう。それでいうと西純には物足りなさを感じた。

西純は3点リードの2回に捕逸で1点を返され、続く3回は宮崎、牧の連続本塁打でひっくり返された。味方が4回に近本の同点打、大山の押し出し四球、佐藤輝のこの日2発目となる満塁本塁打で6点を奪って白星が転がり込んだ。

梨田 球速は150キロを超えるが、打者が速さを感じていないかのように簡単にはじき返される。力んで投げているから、まだ投球術というか“大人のピッチング”ができるレベルにもない。先発に余裕があるなら、ちょっと調整間隔を空けて再点検してもいいかもしれない。DeNAが得点圏から走者をホームに回すタイミングなど、うまく攻めたら展開は変わっていたかもしれない。

ヤクルト、DeNAとの6連戦に4勝2敗。カードの頭にあたる火曜日に村上を起用し、先発ローテを組み替えて臨んだ結果だ。

梨田 村上、大竹の台頭があって、伊藤将が安定し、青柳が勝って、西勇はそこそこは投げる。ただ監督とすればこの一戦のように点差が開いても、もう少し中継ぎにピリッとしてほしかったのが本音だろう。今後はリリーフを1枚加えることを考えてもいいかもしれない。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 3回表DeNA無死、西純は牧に左中間へソロ本塁打を浴びる(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 3回表DeNA無死、西純は牧に左中間へソロ本塁打を浴びる(撮影・上田博志)