確かに少ない。今年1月に宮崎で行われた名球会総会を取材した。昨季、日米通算2000安打を記録した阪神福留、広島新井、昨季限りで現役を引退した元広島の黒田氏が「新会員」として参加。その場で通算206勝の阪神OB江夏豊氏が「(名球会は)阪神の選手が少ないからね。どんどん入ってほしい」と話していた。

 8日には鳥谷が名球会入会条件となる通算2000安打を達成した。昨季の福留に次いで阪神のユニホームを着た選手の大台到達は2年連続だ。ただ、会場を見渡せば阪神のイメージのある選手は少なかった。それもそのはず。鳥谷の達成は、虎生え抜きの野手は83年の藤田平に次いで34年ぶり、2人目なのだ。

 阪神は生え抜きの野手が育たない-。そんな声を確かによく聞く。いろんな意見があるだろうが、注目度の高いチームでレギュラーを張り続けることがいかに難しいかを物語っている。ミスタータイガースと呼ばれた吉田義男も掛布雅之も到達することができなかった領域。それだけ鳥谷の2000安打は尊い。【阪神担当 桝井聡】