ヤクルトのくじ引きにパワースポット効果があった、かもしれない。26日に都内のホテルで行われたドラフト会議。小川淳司監督(60)は外れ1位で巨人、楽天とともに3球団競合となった九州学院・村上宗隆捕手(3年)の当たりくじを右手で引き当て、交渉権獲得の紙を高々と挙げた。直後の囲み取材で「清正井(きよまさのいど)に右手をつけて来たので、右手で引こうと思った」と満足そうに語った。

 26日の午前、小川監督は明治神宮にいた。参拝を済ませると次に向かったのは明治神宮御苑の中にある「清正井」。運気が上昇する都内屈指のパワースポットと知られる場所だ。渋谷川の源流としてこんこんと清水が湧きだし、最近まで茶の湯に使用されていた名井戸。そこに右手をつけ、ドラフト会議での成功を願った。その後、取材陣から写真撮影を求められた際も、半身になってしゃがみ込むも左手は井戸につけず。右手に全てを込めて、くじ引きの瞬間を迎えていた。

 1番の狙いは7球団が競合した抽選で早実・清宮幸太郎(3年)だったが、惜しくも敗戦。左隣にいた日本ハムが引き当てた。しかし、外れ1位で高校通算52本塁打の「肥後のベーブ・ルース」こと九州学院・村上の交渉権を獲得。御利益があるのならば清宮を当てるだろうとツッコミが入りそうだが、小川監督は10年ドラフトでは日本ハム斎藤、楽天塩見をくじ引きで外し、外れ外れ1位で山田を獲得した過去がある。それだけに1回目の指名で選手獲得するよりも縁起が良いとも言える。

 ちなみに当日までゲン担ぎを行わないと話していた小川監督だったが「ネクタイは3本用意したよ。全部(チームカラーの)緑が入っている」とこっそり明かしてくれた。悲喜こもごものドラフト会議。日本ハムは木田GM補佐がタレントの明石家さんまに助言を求めて左手でくじを引くなど、当たりを引き寄せるために各球団の抽選者は工夫を凝らす。来年はどんな運気上昇法が見られるだろうか。【ヤクルト担当=島根純】