あらためて今月4日に膵臓(すいぞう)がんのため亡くなったOBの星野仙一氏(享年70)の名古屋での存在感の大きさを感じる日々を過ごした。15日から3日間、ナゴヤ球場に献花台が設置。平日だったにもかかわらず、朝から夕方まで人は絶えずたくさんの花が手向けられた。

 1日目に訪れたのは約1000人。2日目は午前中だけで初日の数を超え、3日間で約3440人が訪れた。中には星野氏へのメッセージを添えた色紙も。長い間、写真の前で手を合わせるファンの姿もあった。現役時代を含め、監督でも優勝経験を持つ「燃える男」。さまざまな年代の竜党に愛されていたのだと実感した。

 訃報を聞き、選手や首脳陣などそれぞれが思い出話を語ってくれた。森監督は「一緒にユニホームを着たことはないけど、いろんなところで接点がある。ドラゴンズの監督を引き受けたときに『頼むぞ』と言われた。何を頼むんだと聞きたかったけど、何が言いたいかは分かっている」と受け継ぐ。今季から選手会長を務める福田は「伝説の人。僕にとっては雲の上の方。あの熱い思いをしっかり引き継いでいけるようにしたい」と力を込めた。

 中日は昨年まで5年連続Bクラスと苦しい状況が続いている。誰もがチームを強くするために、熱くシーズンを迎えてくれるはずだ。【中日担当 宮崎えり子】