身長186センチ、体重104キロの大男は、ひときわ目を引く。人並み以上の肩幅、極太と言える太もも、頑強な骨格。「ラグビーでもいけるんじゃない?」「すごいな。ガタイがえぐい」。そんな声が飛び交うのも無理はない。「年々、肉体進化していない?」と尋ねた。楽天安楽智大投手は「僕なんか全然ですよ。アメリカでは、自分なんか小さい方ですから」と笑ってみせた。

 今年1月、米国に渡った。ドジャースからフリーエージェント(FA)になったダルビッシュらとの自主トレをともにした。期間中のある日、カリフォルニア・ベニスにあるゴールドジムの1号店を訪ねた。「ウエートトレーニングというより、体をどう使っていくか。充実した時間を過ごせました」。世界レベルを体で味わってきた。

 もう少しで、さらに幸せな時間となっていた。安楽は、午後に同施設を利用した。午前だったら…。「アーノルド・シュワルツェネッガーが来ていたらしいんですよ。会いたかったです。見てみたかった」とため息をついた。ハリウッドを歩いても、俳優や女優には会えなかった。まさか、ゴールドジムに…。「本当に残念です」と何度も悔しがっていた。【楽天担当 栗田尚樹】