2月が終わった。すでにキャンプを打ち上げているソフトバンクは今日1日の韓国・斗山戦(宮崎アイビー)を終えると、福岡に戻る。3月16試合のオープン戦を消化すれば、もう開幕がやってくる。キャンプインの日にはまだつぼみだったアイビースタジアムの梅の木も、今は花を散らせ始めている。球音が響いたと思ったら、ペナントレース開幕は駆け足でやってくるようだ。

 連覇を狙うソフトバンクはビルドアップできたのだろうか。キャンプを総括した工藤監督はキャンプMVPに楽天から移籍した西田と、甲斐の名前を挙げた。「練習の殊勲賞」というのがあるのかどうか知らないが、この世界、頑張った人が活躍できるかどうか分からない。思わぬアクシデントに見舞われることもあるし、目立たなかった人に大きなチャンスが巡ってくることもある。いずれにしても「プロ」はケガを徹底的に避け「その場」に居続けることが肝要だと思う。

 五十嵐がヘルニアでキャンプ不参加、明石が急性腰痛でリタイアした。戦力的には他球団を圧倒しているとはいえ、チームにとって何より痛いのは故障離脱である。ソフトバンクキャンプを訪れた権藤博氏(プロ野球評論家)は「こういう強いチームが崩れるのは、故障者から。油断は大敵」と話していた。最大の課題を残して終わったキャンプでもあった。捕手は高谷が右ひじを手術し、若手の栗原がノック時に左肩脱臼…。2人が長期離脱となった。甲斐がケガでもしてしまったらチームは致命的だ。開幕まで残り1カ月。不安要素は解消されていくのだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】