<巨人5-0中日>◇27日◇東京ドーム

 巨人山口俊投手(31)が中日12回戦(東京ドーム)でノーヒットノーランを達成。14年西武岸以来、史上79人目(通算90度目)、セ・リーグでは13年中日山井以来28人目(29度目)の快挙を成し遂げた。

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 山口俊の「先発完投型」は屈辱から始まった。プロ入り1年目の06年6月29日巨人戦の先発でデビュー。4年目の09年からセットアッパーを経てクローザーに抜てきされ、5月5日巨人戦でプロ初セーブ。「クローザーにやりがいをもってやっていた。自分の持ち場だと思っていた」と、12年に当時、最年少で通算100セーブに到達した。

 守護神としてキャリアを歩むはずだった。だが、14年に入ってからセーブ失敗を繰り返した。精神的にも追い込まれて円形脱毛症を発症。中畑監督から先発再転向を言い渡された。「自分にとっては昇格ではなく降格。クローザーをクビになったと受け取った」。背水の覚悟が転機を導いた。同年は先発として17試合に登板し、8勝5敗と息を吹き返した。100セーブ以上をマークしてからノーヒットノーラン達成は、山口俊が史上初の快挙となった。【巨人担当・為田聡史】