梅雨というのに福岡は暑かった。気温30度超えが続き、「時の記念日」の10日も、汗まみれの日となった。まだ肌寒かった3・26開幕戦で先発1番で出場したソフトバンク周東はペイペイドームでの広島戦を前に、福岡・筑後市の2軍球場でウエスタン・リーグ中日戦に出場した。昼夜兼行のいわゆる「親子ゲーム」出場である。

1番セカンドで先発出場し5打数1安打、1打点。2回には盗塁も決めた。2軍戦を終えると約1時間かけペイペイドームに戻ってベンチに入った。「本人が打ちたいということだったのでね」。工藤監督は周東の2軍戦への派遣をそう説明した。今季はリードオフマンとして期待され、開幕から5球団との対戦がひと回りするころまでは打率も2割5分ほどあったが、4月中旬から急降下。交流戦は5月25日の中日戦(バンテリンドーム)を最後に、先発メンバーに名を連ねることがなくなった。

目標に掲げたレギュラー奪取どころか、昇格した三森、柳町が結果を残すなどライバル争いも激化。もっぱら終盤の「代走」が周東の現在地となった。打たなければ使ってもらえない。必死でバットを振る毎日だが、迷宮に入った打撃はなかなか上昇の気配を見せない。はい上がれ! というのは簡単だが、首脳陣に効果的な処方箋はないものだろうか。1番周東は「2021年型」布陣の目玉だったのではなかったか。「伸びきらなかった」と言うのはたやすい。2軍での再調整も1つの方法かもしれないが、驚異的な「走力」を考えれば、ここ一番の「兵器」としての役目も大きい。「時間」が過ぎていくのが何とももどかしい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】