岩出山の星が、神宮で輝き始めた。ヤクルト今野龍太投手(26)が、ブルペンを救っている。

22試合で防御率0・96の近藤が右肩肉離れで離脱。守護神石山も、不調で配置転換を余儀なくされた今季。清水、マクガフへつなぐ“7回の男”として名乗りを上げた。前半戦では35試合で3勝0敗で防御率2・72。5月5日阪神戦(神宮)から7月8日阪神戦(神宮)まで、21試合連続無失点も記録した。「前半戦ですけどずっと1軍にいれたのは成長かなと思います」と確かな手応えをつかんでいる。

被打率は1割9分2厘と、クローザー・マクガフをしのぐ。好調の要因は-。「去年に比べてフォークが決まり始めたというところと、ストレート投げている感覚が、去年の後半からハマっている」と分析した。投球スタイルもあまり変えず、練習方法を大幅に変えてもいない。日々の積み重ねが実ってきた。それでも、まだまだ高みを目指す。「(フォークが)低めにほしいのに高めに抜けたり。前半戦の最後の方は下半身をあまり使えていなかった」。制球力と下半身の強化に励み、リーグ戦再開へ備える。

岩出山3年夏の宮城県大会2回戦では、ノーヒットノーランを達成。部員11人の公立校のエースとして“岩出山の星”と注目を浴びた。13年ドラフト9位で楽天に入団も、19年に戦力外通告。ヤクルトでもコツコツと成長を続け、はい上がってきた。目標はシーズン60登板。チームの優勝へ向け、後半戦もリードをつなぎ続ける。「勝ちゲームで投げているというのもあるので、そこで逆転されて負けたくはない。良い形で後ろのピッチャーに任せられるようにしたい」。真っすぐ前を見つめながら、力強く意気込んだ。【ヤクルト担当=湯本勝大】