「常勝復活」を目指すソフトバンクにとって、この秋季キャンプからフロント、現場の共通認識としてさらに強まっているのが「世代交代」である。王球団会長の口からもこの4文字は常に発せされているし、藤本新監督もベテラン、中堅、若手の融合を掲げながらも「新戦力」の台頭に大きな期待を寄せている。

チームにとって最大の課題ともいえる世代交代に向け、直接的な「現場」となるのはファーム組織である。第2クール初日となったこの日から野手陣はA、B組に分かれた。小久保2軍監督はサブ球場に立って練習を見守った。ヘッドコーチから2軍監督となり「若手育成」へ注力することになった。

打撃投手をつとめる小久保2軍監督(撮影・梅根麻紀)
打撃投手をつとめる小久保2軍監督(撮影・梅根麻紀)
打撃投手をつとめた小久保裕紀2軍監督(撮影・梅根麻紀)
打撃投手をつとめた小久保裕紀2軍監督(撮影・梅根麻紀)

全体練習後の特打ちでは佐藤を相手に約40分、打撃投手を務めた。「やらせる」のではなく「やる、という強い意志を持ってもらう」ことを信条とする。日本ハムの新庄新監督とは同学年。「新庄も言っていましたが、本当に疲れ切った中から出てくるものがある」。選手の動きをチェックしながら、グラウンドでも気づいたことはすぐにメモ帳にペンを走らせている。そんな小久保2軍監督が親交のある作家・北方謙三氏から聞いたというエピソードをポツリと教えてくれた。

「北方さんは、(作家として)売れるまでにボツになったすべての原稿用紙をずっと保管していたらしいです。ボツ原稿を積み上げてみたら自分の身長以上あったと。手書きですからね。どれくらい書いたんや、と思いました」

職種を問わずプロの世界は厳しい。いかに努力しても報われない人の方が多いだろう。「常勝」を求められるホークスは高いレベルでの競争が求められる。強い目的意識を若鷹に植え付け、チーム再生へどれだけの新戦力を送り込めるか。球界は1軍で活躍して初めて「プロ」と呼ばれる。あきらめもあれば、自ら限界を決めてしまう若手も多い。ホークスでは初の監督業となった小久保2軍監督は強い使命感を持って難行に挑んでいる。チーム変革期に重要なミッションを受け持つことになった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】