ヤクルト久保拓真投手(26)が、9月9日広島戦(神宮)でプロ初勝利を挙げました。九州共立大から18年ドラフト7位入団。今年7月から1軍に定着し、2連覇を目指すチームの中で、貴重な中継ぎ左腕として役割を果たしています。

9日広島戦では、同点の6回から2番手でマウンドへ。2安打を浴びながらも、最後は1死一、三塁から併殺で無失点で切り抜けると、その裏に2点を勝ち越し。プロ47試合目にして初白星を手にしました。お立ち台では「素直にうれしいです」と喜び、ウイニングボールを手に「やっと初勝利つかみました。これからもよろしくお願いします」と、支えてくれた両親に感謝。高津監督も「開き直ってコースとかより、しっかり投げられるようになってきた。これが成長だし、メンタルの部分でもあると思う。チームの勝利に貢献出来る存在まで来たのだから、引き続き頑張って欲しい」と評価しました。

久保は175センチ、75キロ。プロ野球選手としては大きくありませんし、150キロ超の速球もありませんが、先輩左腕から多くを学んで成長しています。昨年オフに石川雅規投手と自主トレをともにする中で、「やっぱり石川さんを見ていて、力んで投げてもいいことないなってすごく感じたので。僕もピンチの場面でも力まないようにと心がけてます」と言います。石川からは多くのアドバイスを受けたそうですが「『キャッチボールが一番大事』ということが、一番心に響きました」。以来、キャッチボールに対する意識が、より高まったそうです。

シーズン最終盤へ向け「1試合1試合、マウンド任されたときには、0でしっかりと帰ってこれるように頑張っていきたいと思います」。技巧派中継ぎ左腕の粘投にも、期待がかかります。【ヤクルト担当=鈴木正章】