目には目を、お菓子にはお菓子を。ロッテとの交流プログラムで8月頭に再来日したWBCチェコ代表のハジム監督、ムジーク、エルコリの3人は、大袋いっぱいに地元チェコのお菓子を詰めてやって来た。WBCで外野手のエスカラに死球を与えた佐々木朗希投手(21)が、おわびとして大量のお菓子を宿舎に届けたことへのお礼だった。

佐々木朗は抹消中で不在だったが、内野手のムジークは山口航輝外野手(22)にチョコレートを食べさせた。様子を見ていたハジム監督によれば「変わった味が3種あって、2つはOKだったけど1つは強烈だったみたいだ」。山口の苦い顔が浮かぶ。

また3人は、荻野貴司外野手(37)がプロデュースした「OGI FARM」のお芋シェイクを堪能した。「さつまいもでオギノ選手が独自開発されていて、非常に興味深いドリンクだった」。もちろん通訳さんのニュアンスはあるのだが、ハジム監督のまじめさが端々からにじみ出るコメントはおもしろかった。

彼らはトッポなどの菓子を大変気に入った様子で、チェコから持参したものも「試合に勝ったらお祝いで食べて」と話すなど、フランクに交流していた。お菓子が縁をつないだのが、とてもロッテらしい。

私は学生時代、初めて行った海外がチェコだった。同行者のスーツケースが大きくて、石畳の街を引きずって歩くのが大変だった時、通りすがりの紳士が「ホテルはどこ?」と聞いて荷物を宿まで運んでくれた。お礼に日本から持ってきたパインアメを1袋差し上げると、すごく喜んでくれた。菓子は人をつなぐ。

そうそう。ハジム監督らが、会えなかった佐々木朗にと贈ったチェコ代表の帽子とサイン球は、無事本人のもとへ届けられたということです。【遊軍 鎌田良美】