巨人中川皓太投手(29)には理想のリリーフ像がある。

「100%の準備ができない時も登板する可能性があるのが、中継ぎのポジション。急に登板することになっても自分の持っている力を出せるピッチャーはすごいなと思いますね」

中継ぎは出番がいつくるか分からない。試合に投げていない日も、裏では肩を作る日も多い。もしかしたら、抑えた日よりも、打たれた日の方が注目されるかもしれない。勝利に直結する役目であり、きつい仕事になる。

試合を見つめながら出番を逆算し、準備を進めていく。ただ危険球、投手の乱調、打順の巡り合わせなど、想定とは違う状況でマウンドに向かうことも多い。「そういう時にいつもと変わらず、ポンポンポンと抑えてくるピッチャーというのはやっぱり見ていても安心すると思いますし、出してるベンチも信頼して出せるのかなと思いますね」と話す。

その意味では、中川にとって、昨季の6月15日西武戦は自分の仕事に誇れる日だった。同点の9回、大勢が危険球を与えてしまい、緊急降板。無死一、二塁で急きょ、マウンドを託された。三振と併殺打で無失点でしのぎ、サヨナラ勝ちにつなげた。「あの時、僕はドキドキしながら行ってましたけど、どんな時もいつもと同じようなピッチングをして帰って来られるピッチャーというのはすごいなと思いますね」と振り返る。

当然、どんな時もうまく抑えられるわけではない。打たれた次の日も、試合はやってくる。気持ちの切り替えのうまさも重要になる。

「もう無理矢理ですよ。引きずっていてもしょうがないと思い込むというか…。悔しいは悔しいですよ。あの時、こうしておけばよかったなとか、後悔はもちろん出るんですけど、そんなことを言っていても次の日に試合はくるのでね。無理やりでも今日はいいことが起こる。今日はいい結果が出る。そう思って臨むようにしてます」

腰痛から復帰した昨季は44試合登板の1勝4敗、17ホールド、18セーブの防御率2・08。大勢の離脱中は抑えも任された。今季に向けては「中継ぎなので、登板数だったり、ホールドだったりの数字は気にしてやりたい」。昨季は救援防御率がリーグ最下位の3・81だったチームにおいて、巻き返しに中川の活躍は欠かせない。【巨人担当=上田悠太】

巨人対西武 9回表を無失点に抑え、チームメートとタッチを交わす巨人中川皓太(2023年6月15日撮影)
巨人対西武 9回表を無失点に抑え、チームメートとタッチを交わす巨人中川皓太(2023年6月15日撮影)