今月12日のロッテ-巨人戦(ZOZOマリン)、ロッテ先発の美馬学が3回に2本塁打を浴びるなど7失点。結局この回で降板し、3回途中10失点で敗戦投手となった。美馬はその前の5日DeNA戦でも5回11失点で、2試合連続で2桁失点を喫した。

6月5日、DeNA戦で1回裏を終え悔しげな表情でベンチへ引き揚げるロッテ美馬
6月5日、DeNA戦で1回裏を終え悔しげな表情でベンチへ引き揚げるロッテ美馬

2試合続けて2桁失点の投手が過去にいたかを調べると、かなり珍しいケースだと分かった。今回の美馬で4人、6度目で、史上72年ぶり。球団ではもちろん、2リーグ制後でも初めてという珍記録だった。

2試合続けて10失点以上を喫した投手
2試合続けて10失点以上を喫した投手

過去に記録した投手の中で目を引くのが、1人で3度もマークしている江田孝(48~55年は登録名が江田貢一)だ。46年にゴールドスターで、48、49年は移籍した大陽で記録。3度目の49年は、5月12日の阪急戦で1回11失点で降板するも、次の試合の14日に2試合続けて先発。5回まで2失点に抑えていたが、6回に2点、7回に6点を取られて計10失点。チームの2試合連続で10失点したのは、この時の江田が唯一のケースだった。

選手の少ない1リーグ時代にしかない記録だっただけに、今回のケースはかなり珍しかったといえるだろう。単純に考えても、失点が増えれば早々に代えられてしまう。実際、昨季は2桁失点した投手は藤浪(阪神)だけだった。まして10失点した次の登板でも大量失点しながら投げ続けるには、その投手への信頼度も必要なはず。2試合連続10失点は不名誉なことかもしれないが、単なるネガティブな記録なだけではないようにも思える。

過去の連続2桁失点を喫した投手で、その次の登板で白星を挙げた選手はいない。現在は登録抹消されて調整中の美馬が、立ち直って勝利投手になることを期待したい。【多田周平】