巨人がついに10連敗を喫した。泥沼の連敗は何が原因なのか。野球評論家の西本聖氏に話を聞いた。

 -1-3で敗れ10連敗。7、8回に先頭打者が安打で出たが生かせなかった

 西本氏 ベンチが後手後手に回っている印象を受けた。終盤、なぜ阿部を代打で使わなかったのか。結局、阿部を使わないまま試合が終わってしまった。

 -7回は4番村田が安打。続く5番石川は三振、6番クルーズは遊ゴロ併殺打で無得点

 西本氏 選手を信じて任せることも大事だとは思う。ただこれだけ連敗が続いている中で絶対に勝たないといけない状況。そういう中で選手はものすごいプレッシャーの中で戦っている。ベンチが動いて少しでも選手の重圧を取り除いてあげる必要があるのではないか。石川に送りバントやエンドランのサインを出しても良かったのではないか。エンドランなら転がせばいい。それだけでもかなりプレッシャーは軽減されるはず。選手にすべて任せるのはどうか、と思った。

 -8回も先頭の長野が安打で出た。しかし代打脇谷が三振、同じく代打相川が二ゴロ、坂本勇が右飛で無得点

 西本氏 走者をためて阿部を使おうと思っていたのかもしれないが使えずに終わった。オリックスは8回に無死一塁から4番小谷野に送りバントさせた。ダメ押し点は奪えなかったがベンチが動いた。

 -それにしても10連敗は長い

 西本氏 勝てるゲームもあった。1日の楽天戦。先発した新人の池田が5回まで無失点に抑えていたが交代した。中継ぎを務めてきて初めての先発ということもあって最初から5回までと決めていたのかもしれない。ただ、相手は明らかに池田を嫌がっていた。まったく タイミング が合っていなかった。こういう場合はコーチが本人に「まだ行けるか?」と聞いて「行けます」なら続投させてほしかった。楽天からすれば「代えてくれてラッキー」だったと思う。さらに2日のオリックス戦。4-1の8回2死一塁で桜井からマシソンに代えた。そこは抑えたが回跨ぎした9回に同点に追いつかれ延長戦で負けた。勝てるゲームを落とすのはベンチの責任。

 -連敗を脱出するには何が必要か

 西本氏 「打ちたい」「勝ちたい」という中で選手は基本を忘れがちになる。基本に帰って打者はボール球を振らない、投手は腕を振る、四球を出さない。そこを心掛けるべき。

 -監督やコーチは

 西本氏 悪い結果を考えちゃいけない。勇気を持って采配しないといけない。